サンタローズの唄

(あとがき)




ここまで読んでいただきありがとうございます。
サンタローズの話。DQ5の数ある見せ場の中の一つだと思います

いかがだったでしょうか。

うちのリュカはヘンリーの気持ちなんて一つも考えていません。
自分の気持ちでいっぱいいっぱいです。

私は、思いっきりヘンリーを憎んで欲しいです。
憎んで憎んで憎み上げて。
でも
それを今までつみかさなってきた小さな何かが凌駕する瞬間。
そんな瞬間が私は好きなのです。

ヘンリーを許すことって、そう単純なものではない。
村の人たちを切り離す覚悟をし
過去との離別があったんじゃないかな?

もうあまり近寄りたくない場所だと思います
見ると悲しいというより、後ろめたさの方が大部分を占めていますね。

本当は、「ラスとヘンリーと」でここまでかきたかったんです。
「寂しがり屋だ」というエピソードは、ここに繋がるはずだったんです。
でも、あまりに引っ張りすぎてしまうので書くのをやめました。
カットした部分↓

涙と鼻水でグシャグシャで
馬鹿が。何を迷っているんだ。
思う存分なぐれよ!お前にはそうする権利があるんだ。
まさか、この期におよんでオレに気を使っているのか?
ふざけんなよ。
誰もお前を責めない。オレもお前を責めない。
「てめー、馬鹿なんじゃないのか?何だ?オレがかわいそうだとでもおもったか?」
「もしそうだったら、余計なお世話だ」
「お前、俺のことが憎いんだろ!?」
「憎い!!ラインハットが憎い!!その王子もものすごく憎い!!」
「だったら!!」
「お願いだからっ!!」
だったら殴れよ!!っと叫ぼうとする俺を更に大きな声がはばんだ。
「僕の傍にいてくれ!!」


「バッ」
バカヤロウと言おうとして言えなかった。
涙があふれた。

今までそんなことを言うやつがいたか?
城の皆に疎まれて
厄介者扱いされてきた
そんな俺を

まさか
お前が
必要とするなんて

お前のふるさとがこんな姿になったのも
奴隷にされたのも
パパスさんが死んだのだって
全部全部俺のせいだ

お前にとって俺はただの疫病神だ

それなのに
それでも、一緒にいたいと
言うなんて

コイツはわかったんだろう。
俺が去ろうとしていること
そして二度と自分の前に現れることはないということ

「全部…捨ててもいいから」


俺たちは泣いた。
恥ずかしいくらい大声で鼻水流して



もし、あのときリュカが聖者の大らかさで、オレを許してなんかしたら
俺らはきっとただの友達どまりだっただろう。
あのとき、はじめてオレは対等な位置に立っていることを知った。
あのとき、はじめて俺達は『親友』になったんだ。













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